広島市は30日までに、旧市民球場(中区)跡地利用計画の具体化検討業務について、主要コンセプトを提案した2社に随意契約で発注した。一方で、計画に批判的な市議会の会派が求めている完成イメージ図の作成は見送った。
発注先は、跡地の北・西部にまたがる「市民の森」を提案した池原義郎・建築設計事務所(東京)▽中心部の「市民広場」を提案したNTT都市開発(同)―の2社。それぞれが主に提案した部分の具体化を担当。芝や土といった敷地の材質、イベント時の給水設備などの設計や調査を進める。池原事務所は460万円、NTT都市開発は465万円の計925万円で契約した。
跡地計画をめぐっては、市議会が10月の定例会で、市提案の具体化検討費1930万円のうち、概算工事費の算出費用237万円と、周辺地域との回遊性向上の検討費540万円を削除。市の提案を修正した4会派は「まずイメージ図を作成すべきだ」と主張していた。
今回、イメージ図の作成を見送った市都市活性化局は「概算工事費の算出や回遊性調査の裏打ちがなければ、市民に対して無責任になる」と理由を説明している。
跡地利用計画では、池原事務所は「折り鶴ホール」(折り鶴展示施設)、NTT都市開発は「森のパビリオン」(飲食・物販)の事業予定者代表企業となっている。(滝川裕樹)
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