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車職人が歴史刻みます
「カープの星」レリーフの製作進む

2010.1.18

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山本浩二選手の写真を基に、レリーフの試作品製作に取り組む平岡次長

 マツダスタジアム(広島市南区)に掲げる広島東洋カープ歴代スター選手のレリーフの製作が進む。自動車部品の金型を製造する平岡工業(安佐南区)が担当。キャンペーン「カープの星」を主催する中国新聞社と球団が、自動車販売低迷で新分野に挑戦する地場企業に託した。

 ドア回り部品などの金型を造る技術を応用。写真を基に3次元のデータをつくり、縦40センチ、横30センチ、厚さ2センチの銅板を削り込む。100分の1ミリを問われる加工技術で、個性的な名選手を刻む。

 永久欠番で、設置が決まっている山本浩二、衣笠祥雄両選手の試作品に取り組む。平岡弘幸社長(57)は「カープファンのみんなに、これじゃと言ってもらえる出来栄えにしなければ」と力を込める。

 自動車販売の不振で金型の受注は一昨年末からほぼ半減。昨春から新事業としてレリーフづくりに挑む。「カープの星」製作の中心となる、平岡社長の長男の良介次長(29)は「人目に触れない金型をつくる職人にとって、これ以上ない晴れ舞台」と腕を振るう。

 球団創設期やV1ナインの特徴は、当時を知る祖父の喜三男会長(84)の助言でイメージを膨らませる。3世代の力でカープ60周年の歴史を浮き彫りにする。(山本修)