中国新聞オンライン
中国新聞 購読・試読のお申し込み
サイト内検索
中国新聞トップ > みんなのカープ > ニュース

旧広島市民球場の「お宝」売ります
広島市が計画、ネット競売も活用

2010.2.10

Photo
「スコアボードの設備も販売し、有効活用を図る」と話す竹本所長

▽客席やスコアボード、土も

 広島市は、旧市民球場(中区)の解体に伴い「お宝グッズ」の販売に乗り出す。グラウンドの芝、観客席、スコアボード…。ネットオークションも活用し、広島東洋カープのファンや市民に「思い出の品」として届ける。1億5千万円の売り上げを見込んでいる。

 市は、旧市民球場跡地利用計画に基づき、夏以降に球場の解体を始める予定。「ファンが望むならコンクリート片まで売る」(球場事務所)との姿勢を前面に、「お宝グッズ」の企画を練っている。収益は緑地や広場を中心とする跡地整備事業の基金に積み立てる。

Photo

 芝や土、フェンスラバー、コンクリート片はいずれも置物やキーホルダーに加工し、平和記念公園のレストハウスなどで販売▽観客席や案内板、ホームベースはインターネットオークションに出品―することを計画。カープ選手の直筆サインや、秋葉忠利市長の名前が入った証明書を添え、付加価値を高める案も検討する。

 大型設備は自治体や企業への売却を想定する。既に、スコアボードは中国地方の自治体などから引き合いがあったという。解体前には「さよならイベント」を企画。オークションやクイズ大会で別れを盛大に演出する。

 旧市民球場管理事務所の竹本久男所長は「半世紀以上、ファンや市民に愛されてきた球場。多くの人たちの記憶にとどめてもらいたい」と願っている。

 ただ、市の球場跡地利用計画には市議会の反対が根強く、解体計画にストップがかかる可能性も残っている。(滝川裕樹)