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「スコアボードの設備も販売し、有効活用を図る」と話す竹本所長
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▽客席やスコアボード、土も
広島市は、旧市民球場(中区)の解体に伴い「お宝グッズ」の販売に乗り出す。グラウンドの芝、観客席、スコアボード…。ネットオークションも活用し、広島東洋カープのファンや市民に「思い出の品」として届ける。1億5千万円の売り上げを見込んでいる。
市は、旧市民球場跡地利用計画に基づき、夏以降に球場の解体を始める予定。「ファンが望むならコンクリート片まで売る」(球場事務所)との姿勢を前面に、「お宝グッズ」の企画を練っている。収益は緑地や広場を中心とする跡地整備事業の基金に積み立てる。
芝や土、フェンスラバー、コンクリート片はいずれも置物やキーホルダーに加工し、平和記念公園のレストハウスなどで販売▽観客席や案内板、ホームベースはインターネットオークションに出品―することを計画。カープ選手の直筆サインや、秋葉忠利市長の名前が入った証明書を添え、付加価値を高める案も検討する。
大型設備は自治体や企業への売却を想定する。既に、スコアボードは中国地方の自治体などから引き合いがあったという。解体前には「さよならイベント」を企画。オークションやクイズ大会で別れを盛大に演出する。
旧市民球場管理事務所の竹本久男所長は「半世紀以上、ファンや市民に愛されてきた球場。多くの人たちの記憶にとどめてもらいたい」と願っている。
ただ、市の球場跡地利用計画には市議会の反対が根強く、解体計画にストップがかかる可能性も残っている。(滝川裕樹)
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