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V戦士育てた若ゴイの拠点
カープ三省寮 53年で幕

2010.8.3

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老朽化のため、来年3月に閉鎖されるカープの三省寮

 広島東洋カープの独身選手が暮らす三省寮(広島市西区)が来年3月に閉鎖される。球団は老朽化に伴い、新たな寮を建設中。弱小期からV戦士を育てた若ゴイの拠点は、53年の歴史に幕を下ろす。

 1958年3月に完成。2階建てで19部屋ある。風呂と便所は共同で、完成当時は約10畳で2人部屋。近隣には室内打撃練習場もあり、選手たちは深夜まで打ち込んでいた。

 新人時代の高橋慶彦さんや大野豊コーチをはじめ、大半の1軍選手が居住した。「野村謙二郎監督は(門限破りの)罰金を寮に置いてから、遊びに出かけていたと聞いた」と松田元オーナーは苦笑い。近くの高校に通っていた同市南区の自営業小林一彦さん(47)は「高校時代に練習後の達川(光男)さんとよく会った。いつも『お帰り』と言ってくれた」と振り返る。

 最近は1人暮らしを希望する若手が多く、現在の寮生は2人だけ。入団後、5年間生活した石原慶幸選手(30)は「新しい寮は球場に近く、よりいい環境。ただ、三省寮は便利で楽しかった」としみじみと話した。同市南区に新築される寮は来年2月完成予定。(五反田康彦)