旧広島市民球場(中区)の跡地利用計画に関連し、市が、球場の解体工事費を2010年度予算案に計上する方針を固めたことが3日、分かった。市議会には市の跡地利用計画への反対論が根強い。16日開会の定例会では計画推進につながる球場の解体が認められるかが焦点となる。
市は解体工事費のほか、保存する外野スタンドの一部の耐震対策費も予算案に盛り込む方向。昨年10月の定例会では認められなかった回遊性向上の検討費も「計画推進には不可欠」としてあらためて計上するとみられる。
旧市民球場をめぐり市は昨年1月、跡地利用計画を発表した。昨年10月に球場を閉鎖し、解体工事に着手する予定だった。
しかし、市議会の昨年3月の定例会で多数派が「市の跡地利用計画は周辺関係者の理解と合意を得ることが必要」などと主張。市が提案した「計画具体化の検討費」を09年度当初予算から削除した。
これを受け、市は早期の解体着手は難しいと判断し、球場の使用を10年3月末まで延長した。現在もアマチュア野球の利用などに開放している。
市は定例会に球場を廃止する条例案も提案し、3月末で球場事務所の職員も引き揚げる方針でいる。(滝川裕樹)
旧広島市民球場の跡地利用計画 約5・5ヘクタールのうち8割を緑地や広場にする。ホール機能や折り鶴展示施設を備えた「折り鶴ホール」(仮称)を設置し、球場のスタンドの一部を残す。当面の事業費は33億6千万円。広場は2012年度中の完成を目指す。13年の広島開催が決まった全国菓子大博覧会の会場としての利用も想定している。
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