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1日から一般利用を休止した旧広島市民球場
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▽廃止条例案は否決 再開方針も時期未定
広島市が解体を計画している旧広島市民球場(中区)は、1日からグラウンドやスタンドの一般利用を休止した。一方で、先の市議会定例会で球場の廃止条例案が否決されたため、市は利用受け付けを一時的に再開する意向を示すが、解体方針に変わりはなく、再開時期は決まっていない。
市は廃止条例案の否決を受け、4月以降は無人にする予定だった管理事務所に非常勤を含む職員4人を配置。芝の管理や建物の点検に当たる。当面、グラウンドは使えないが、旧球場では建物内部で折り鶴を展示しているため、入り口を開ける。
旧市民球場は、昨年3月にマツダスタジアム(南区)が完成するまで広島東洋カープの本拠地として長年親しまれ、昨年度はアマチュア野球やイベントの利用に開放していた。
球場の維持管理費は年約6千万円。市は3月末での閉鎖を計画していたため、当初予算に経費を計上していなかった。現在はまだ予備費の流用を検討している段階で、利用再開の見通しは立っていない。
杉山朗旧市民球場跡地担当課長は「議会に解体予算は付けてもらったが、廃止条例案は認められず、矛盾した状態。条例案を再提案することも慎重に検討したい」と説明。条例案を再提案する判断や時期も絡んで、利用期間の決定にはさらに調整が必要とみられる。(野田華奈子)
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