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公明・共産が賛成し大勢 旧球場廃止条例案可決
市議会建設委 各会派、市民理解を要望

2010.6.19

 広島市議会建設委員会が18日に可決した旧市民球場(中区)の廃止条例案。直前まで態度を保留していた公明党と共産党が賛成に回り大勢を決した。ただ、市に対しては賛成した議員からも、市民の幅広い理解を得るための努力を続けるよう要望が出た。

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旧市民球場廃止条例案を採決する市議会建設委。挙手が賛成した議員

 公明党の平木典道幹事長(東区)は、3月の定例会で廃止条例案に反対した理由として「市民に少しでも長く利用してもらいたかった」と説明。緑地広場を中心にした跡地利用計画そのものに異議はないとして、廃止条例案に賛成した。

 同じく3月は反対した共産党の中原洋美幹事長(南区)は、市が6月に跡地整備のイメージ図を作成した姿勢を評価。「にぎわいを生み出せる」と賛成する意向を示した。

 ただ、公明、共産の両会派ともに、解体に反対する市民への十分な説明を市に求めた。

 条例案に反対する政和クラブの山田春男幹事長(西区)は「市の計画で年150万人の集客はできない。市民合意も得られていない」と批判。自民新政クラブの木山徳和氏(中区)は「市は反対する人の意見を聞いていない。残すべきだ」と訴えたが、及ばなかった。

 公明党、共産党が賛成に回り、廃止条例案は定例会最終日となる22日の本会議でも可決が確実な情勢となった。市中央部商店街振興組合連合会の望月利昭理事長は「折り鶴ホール(仮称)の位置を中心からずらすなど、みんなが納得する内容になった。にぎわい創出へ早く整備してほしい」と歓迎した。

 これに対し、解体に反対する市民団体「旧広島市民球場フォーラム」の永井健二代表は「極めて残念。復興のシンボルを取り壊していいのか」と批判。20日に旧球場周辺で解体反対イベントを開き、本会議採決での議員の翻意を促す。(野田華奈子、桑田勇樹)