広島市が市議会定例会に提案中の旧市民球場(中区)廃止条例案をめぐり、球場解体に反対していた自民新政クラブが21日、一転して解体を認める修正案を提出した。廃止日付だけを8月1日付から1カ月延長する内容。
自民新政クラブの谷口修幹事長は「解体には反対だが、廃止条例案の成立を阻止できない。せめて夏休みに子どもたちに球場を利用させたい」とする。
修正案について、建設委員会で市の原案に賛成した公明党の平木典道幹事長は「利用期間が延びるのはいい」と話し、2013年春までを予定する跡地整備に影響がないため賛成するという。他の複数会派も同調し、22日の本会議で修正案が可決される見通し。
一方、修正案に賛同せず、廃止条例案への反対を表明する新保守クラブの三宅正明幹事長は「利用期間を延ばしただけで、廃止を認めるのでは筋が通らない」と強調している。
市は年内にも球場解体に着手し、イベントホールなどを備えた緑広場の整備を進める。修正案について、市幹部の一人は「反市長派の議員が原案を通したくないためのメンツの修正だろう」と受け止めている。(野田華奈子、桑田勇樹)
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