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にぞっこん
ALL−IN大賞 この1年


四月にスタートした「中国新聞・カープALL―IN大賞」(中国新聞社、広島東洋カープ主催)。カープを軸にまちづくりを考える団体を毎月表彰してきた。受賞を機に、活動がいっそう熱を帯び、球団がある街の魅力が再確認された。そんな「ALL―IN大賞」は来年も続く。一年の歩みを振り返る。(編集委員・下山克彦、門脇正樹)


■年間大賞■
 「カープと市民球場はみんなの宝物」−地域の情熱束ねる

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受賞団体が交流するフォーラム開催を目指し、ミーティングを重ねる「宝物」メンバー(撮影・福井宏史)

 活動がカープに認められた―。ALL―IN年間大賞に決まった市民グループ「カープと市民球場はみんなの宝物」のメンバー三十人は今、喜びをかみしめる。

 球界再編のうねりの中、球団存続の願いを込めて発足し二年余り。広島だけでなくメンバーは全国に広がる。広島市中区の市まちづくり市民交流プラザで毎日曜日、カープ談議を繰り広げる。

 ファンと球団や行政のパイプ役を担う。一月、南区内でカープフォーラムを開催。JR東広島駅貨物ヤード跡地(南区)に建設予定の新球場構想をめぐっても、広島市に要望を続ける。活動を球団は高く評価。メンバーが提唱した一般向けファンクラブ構想を受け入れ、来春の設立に向け準備を進める。

 ネット上で知り合った仲間と観戦会を開いたり、カープゆかりの地を紹介するマップを作ったり。ALL―IN大賞の受賞団体を招いたフォーラムの開催も視野に入れる。

 広報担当の会社員藤田英夫さん(47)=南区=は「受賞は通過点。カープを取り巻くすべてのつながりを大切にしたい」と夢を膨らませている。

■特別賞■
 「ミッキー」 −士気高める人気者

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愛らしさでファンを魅了したミッキー

 特別賞のベースボールドッグ「ミッキー」(ゴールデンレトリバー、九歳)は今季、市民球場で八試合に「登板」。球場の雰囲気を和らげ、選手の士気も高めた。登板成績は六勝二敗だ。

 すでに人気は全国区。七月のオールスターゲームにも出場した。飼い主で訓練士の上野智美さん(29)=広島県北広島町=は「これからもミッキーと球場の魅力を伝えていきたい」と意気込む。

■各月の受賞の声■

<4月> 古里に誇り

 カープ新聞を配布した広島大付属東雲小四年一組(現五年)を担任した新谷和幸教諭(32) まず休憩時間に野球をするようになった。カープ以外の広島の宝、宮島や原爆ドームに関心を持つ児童も現れ、古里への誇りや愛着も育ちつつある。この気持ちを大切にしたい。

<5月> 活動に弾み

 毎試合応援に繰り出す庄原市カープ応援隊の塩本誠二実行委員長(54) 受賞で活動に弾みがつき、バスツアーへの参加も大幅に増えた。こどもミュージカルへの支援、球場を舞台にした出身者の交流への協力など、球団の後押しに感謝する。

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プレゼントされたかつらをかぶるブラウン監督(右端)のパフォーマンスに大喜びの廣島赤アフロ隊メンバー(6月10日)

<6月> 清掃が拡大

 赤いかつら姿で応援する廣島赤アフロ隊の宮本泰博隊長(43) 七月、さらに地域とのきずなを深めようと、岩国市由宇の二軍球場で選手との交歓会を開催。球場でも多くの方が清掃に加わってくれ始めた。まさに「ALL−IN」だ。

<7月> 支援続ける

 「カープバス」を運行する第一タクシーの中冨祐二社長(62) 人気は相変わらず。本来は安佐南区内の路線バスだが、「貸し切りで」との注文が舞い込む。カープの魅力は皆を引きつける。広島の企業として、支援し続けたい。

<8月> 県でも発表

 球場周辺で観戦客の動向を調査した比治山大粟屋ゼミの二年森山愛さん(20) 球団だけでなく、広島県庁でも調査結果を発表した。それも県からの依頼。社会的な意義があったことを喜びたいし、まちづくりに役立ててもらえたらうれしい。

<9月> 楽しみ倍増

 関東地区で観戦会を続けるかんじ!会の富田浩二代表(42) 十月、神宮球場で受賞報告を兼ねた観戦会を開き、喜びを分かち合った。応援仲間ができると、楽しみが倍増する。今後は、球場に来られないファンも巻き込んでいきたい。

■全国から応募

 優秀な成績を残した選手をたたえる球団は珍しくないが、球団が地域の取り組みを表彰するのは球界初。こうしたALL―IN大賞に、全国から三十を超す応募があった。

 ファンレターに近い内容もあったが、大半はカープ愛あふれる地道な取り組み。毎月の選考委員会では、なかなか結論が出ないこともしばしばだ。委員長の多田公煕広島県体育協会会長は「球団を支える活動の多彩さと情熱に感銘を覚える。今度はチームが応える番だ」とハッパを掛ける。

 受賞団体に好評なのがグラウンドでの表彰式だ。マーティー・ブラウン監督から直々にカープグッズを受け取り、感極まるファンも。スタンドからの温かな声援もALL―IN大賞の財産だ。

主な応募
広島弁護士会野球部「広島ALLINS」 カープモデルのユニホームで20年。ALL―INにちなみ改称

どんぐりクラブ屋台村 北広島町で2003年から2軍戦を開催。地域活性化と重ねた活動を展開

特定非営利活動法人コーチズ 8月、カープが題材のソーラン踊り大会。上位4組が市民球場で披露

柳井カープスポーツ少年団 30年、カープモデルのユニホーム。地域では「小さなカープ」として有名

藤本倫史さん(広島国際学院大4年) 地域と球団のあり方について研究し、8月にはカープの横浜遠征に帯同

味彩 ミネラルウオーター「勝鯉の水」を販売、収益の一部をたる募金に寄付

広島東洋カープ由宇協力会 2軍本拠地がある岩国市由宇町で、1993年以来、地道に球団を支援

エントランス 大学の垣根を越えた応援サークル。観戦会や若者向けフォーラムを企画

秀樹と吾一 ライブハウスや地域イベントで、応援ソングを披露する姉妹デュオ

Supa Dupa Fly 比治山大ダンスサークル。カープをイメージした踊りをさまざまな場で披露

越前東洋会 福井市の観戦グループ。年1回、東京ドームや市民球場に遠征し声援

廿日市西高校1年4組 4万羽の折り鶴を使ったカープの巨大壁画を作り、市民球場へ展示

キリンビール広島支社 地元の企業として支援キャンペーンを実施、7月には応援缶ビールを発売

フリーペーパー「月刊ホームラン」 西区の出版社「ザメディアジョン」が配布。球場周辺の話題も盛り込む

津丸内科デイサービスセンター お年寄り約90人が「それ行けカープ」の音頭でリハビリ体操

フロンティア・スピリッツ 広島県府中町の子供服専門店。球団公認の子ども服などを販売

佐藤由美さん(千葉県柏市) 応援歌を点字打ちし、市民球場で視覚障害者にプレゼント

舟木弘さん(東区) ホームページで自作のカープ選手イラストを紹介

(2006.11.23)

 

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