中国新聞


分娩受け入れ枠100件増
JA広島総合病院


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4月から分娩態勢を強化するJA広島総合病院
▽助産師増員、廿日市・大竹市が支援

 廿日市市のJA広島総合病院は、2010年度の分娩(ぶんべん)受け入れ枠を前年度より約100件多い720件に増やす。助産師不足の中でハイリスク分娩を優先するため、正常分娩受け入れを一部制限してきたが、廿日市、大竹両市などの支援で4月から助産師を増員。産婦人科医師も増やす。

 現在、同病院の産婦人科医師は5人、助産師は広島県の出向者を含めて17人。4月から医師は1人増の6人、助産師は1人が県へ戻るものの、5人増員して21人態勢となる。このうち助産師3人は同病院の在籍看護師で、廿日市、大竹両市が09年度始めた助産師育成のための奨学金への助成を活用、資格を取った。

 10年度も在籍看護師4人が助産師の資格取得を目指す。うち3人は助成を受ける。退職者がいなければ、11年度は25人態勢となる。

 同病院の09年度の分娩件数は624件となる見通し。06年度には近隣病院の分娩中止などの影響で708件に上った。だが、07年3月に助産師12人のうち5人が退職。基幹病院として切迫早産などのハイリスク分娩を優先するため、07年2月から正常分娩の里帰り出産を制限、08年度は552件に減っていた。

 このため、廿日市、大竹両市が助成制度を設け、助産師育成を支援。同病院も昨年、県の派遣などで助産師を3人増員し、分娩件数を増やしてきた。

 同病院は「正常分娩の里帰り出産は4月以降も受け入れ制限を続けるが、態勢が整い次第解除したい」としている。(村上和生)

(2010.3.31)


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