中国新聞


子どもシェルター11日開所
無償で食事 心のケアも
NPO法人、市内に施設


   

photo
「安心して休んでほしい」。ピピオの家の個室で、子どもたちに呼び掛ける鵜野理事長

 保護者の育児放棄や虐待で居場所を失った子どもたちの保護施設(シェルター)では県内初の「ピピオの家」が11日、広島市内に開所する。県内の弁護士や児童福祉関係者たちでつくるNPO法人が開設。無償で食事を提供し、心のケアにも当たる。

 NPO法人「ピピオ子どもセンター」が空き家を改装し、寝泊まりができる個室4部屋と食堂を設けた。児童養護施設職員や元教員たち女性スタッフ3人が交代で終日詰めて、食事を用意したり、相談に乗ったりする。

 14〜20歳が対象で、センターが相談内容などを基に利用の可否を決める。「保護者の追跡を防ぎ、子どもの安全を守るため」(センター)として、場所は公表しない。利用期間は最長2カ月で、その後もセンターと弁護士たちが連携してサポートを続ける方針。

 センターは1月設立。施設の運営費は、センターの会費や寄付で賄う。複雑な家庭環境に悩む子どもたちの実態を伝えるシンポジウムも計画している。

 センターは9日、施設を報道陣に公開。弁護士の鵜野一郎理事長(52)は「子どもたちには、家庭的な雰囲気の中で安らぎ、自分を取り戻してほしい」と話した。センターへの問い合わせは平日午後4〜7時。Tel090(5262)0874。(前岡愛)

(2011.4.10)

【関連記事】
子どもシェルター来春開設へ 司法・福祉関係者らNPOの設立総会 (2010.9.24)
24時間体制、虐待から一時保護 中高生向け「シェルター」を (2010.8.15)



子育てのページTOPへ