夢球場実現、願いつなぐ 広島市へ寄付

05.11.24


 広島東洋カープの本拠地、広島市民球場(中区)に替わる新球場建設を目指す「広島新球場建設たる募金共同キャンペーン」推進委員会は二十三日、市民球場での「2005カープファン感謝デー」で、秋葉忠利広島市長に募金総額一億二千三百四十七万六千九百三十七円を寄付した。

 地元マスコミ十二社・団体でつくる推進委を代表し、中国新聞社社長の今中亘委員が秋葉市長に目録を手渡した。秋葉市長は推進委に感謝状を贈った上で、約二万二千人のファンで赤く染まったスタンドに向かい、「たる募金の伝統が力強く生き残っていることに感動を覚えた。みなさんの熱い思いを胸の奥底に刻み、カープの躍進を念じながら世界に誇れる球場建設にまい進したい」と決意を述べた。

 たる募金は昨年十一月二十日に始動。たるや募金箱の設置場所は全国千二百カ所以上に広がり、世代を超えた市民運動として共感を集めた。キャンペーン開始時は足踏み状態だった新球場建設構想も、たる募金に後押しされる形で前進。広島市がJR東広島駅貨物ヤード跡地(南区)に建設し、二〇〇九年春に完成する予定だ。

 草創期のカープの経営難を救った「昭和のたる募金」に続き、半世紀を経た「平成のたる募金」は、新球場を触媒に人々の情熱を幅広く束ねた。その思いを満たす「夢の器」新球場の実現に向け、広島の心意気が今、広島市に託された。(下山克彦)



【写真説明】たる募金の目録を秋葉市長(左)に手渡す推進委の今中委員(撮影・宮原滋)


 

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