これからも支えたる 2005ファン感謝デー

05.11.24


 「たる」に寄せられたみんなの思いで世界一の球場を―。総額一億二千三百四十七万六千九百三十七円のたる募金が広島市に託された二十三日、「2005カープファン感謝デー」で市民球場(中区)に詰め掛けた約二万二千人のファンに笑顔が広がった。JR東広島駅貨物ヤード跡地(南区)に建設される「夢の器」への要望もわき上がった。(門脇正樹)

 カープの活躍と新球場の早期建設を願う共感の輪は、世代を超えた。たるを見るたびに百円玉を入れた南区の大学三年平本可奈さん(21)は「みんなの思いが重なり、ひとつのかたちになった。感動です」。一九五一(昭和二十六)年の「昭和のたる募金」にも寄付したという西区の小田博昭さん(73)は「感慨ひとしお。カープはわしらの心の支えじゃけえ」と語り、孫で小学三年の翔太君(8)と喜び合った。

 遠来のファンたちもスタンドから募金贈呈式を見守った。東京・新宿駅南口にある広島県のアンテナショップ「ゆめてらす」で募金し続けた会社員吉川祥子さん(21)=東京都江東区=は「老若男女を問わず、誰もが楽しめる球場に」と願う。奈良市の主婦岡幸子さん(37)は「選手とファンの両方が使いやすい球場を造ってほしい」と市に求めた。

 熱い思いを刻み込むための具体的な注文も。東広島市の会社員蜂須賀智生さん(24)は「新球場の目立つ場所に『たる募金』の文字を刻んでほしい。それがこの一年間の結集の証しになる」。広島市安芸区の会社員川口正樹さん(33)は「ファンの要望に耳を傾ける球場造りこそ大切。それを『広島スタイル』として発信し、全国の新球場建設のモデルケースにしよう」と提案した。



【写真説明】たる募金贈呈式を見守り、スタンドから拍手を送るファンたち。誰からも愛される新球場に夢をはせた


 

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