タイトル「ひろしま 都心のあした」   ぶらぶら歩けるんがええよねぇ
   車の流入規制拡大/駐輪場を増やして

 「安全な街の実現」(広島県向原町の谷林文男さんたち)を含め、歩行者本位の都心(まち)づくりを願う声が強い。中区の二文字勝美さんは「まちを車から人に返す。歩きやすいまちは商業チャンスも増え、にぎわいのもと」。安佐南区の村上友香さんは「歩かなければ、人もまちも弱っていくだけ」

平和大通り写真
平和大通りの出勤風景。人と自転車とクルマが、気持ちよく共存できる仕組みとは…(中区)

 日中は歩行者天国になる本通りに着目し、「車の乗り入れ禁止ゾーンを広げる」(三次市の鎌倉正樹さんなど)という提案が目立つ。

 例えば平和大通り。安佐北区の是松博文さんたちは「森林公園化を」、三次市の倉迫健さんは「産直テント市場に」。東区の杉井英彦さんたちは紙屋町―八丁堀間の電車通りを、欧州流の「人と電車とバス・タクシーだけ入れる区間に」と求めている。

 クルマ流入規制に伴って必要になるのは、規制区域外の「駐車場の充実」(福山市の斎藤かおりさんなど)だ。岩国市の藤本満登さんが「駐車場の無い所には行きたくない」と言うほど、郊外や県外の人々には切実である。

 整備先に、佐伯区の山下昭宏さんたちは「平和大通りの地下」、中区の神田行雄さんは「(県庁周辺の)官庁街の公共駐車場を開放」など都心を挙げる。一方で、安佐北区の山田裕子さんは「路面電車の発着駅」、島根県瑞穂町の藤田睦弘さんたちは「アストラムライン沿線」と周縁部を勧める。

 自転車との共存も、平地でコンパクトな街広島の宿命だ。「街中に駐輪場を増やす」(中区の原田リサさんなど)や「自転車専用道の新設」(西区の立野忠明さんなど)の提案が、自転車愛好者からも、歩道での交錯を嫌う歩行者からも多数挙がった。「駐車割引と同様の駐輪割引のサービス」を店に望む声もある。

 慢性的な渋滞対策も課題。市の財政危機を映してか、地下鉄や高速・高架道路などハード建設論は控えめだが、「アストラムラインの環状線化」(南区の大下嘉弘さんなど)や路面電車の延伸など軌道系交通への期待感は根強い。「アストラムや路面電車とJRの接続」など、「あるものをうまく使う」工夫を求める声も目立った。