「ふるさとの海」   環境保全へ地域が連携
瀬戸内海国立公園 3月で指定70周年
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地図「瀬戸内海国立公園の区域

  5月に記念式典

 瀬戸内海国立公園は今年三月、指定七十周年を迎える。環境省などは五月下旬、倉敷市の鷲羽山周辺での記念式典開催を決定。景観、環境保全に取り組む市民団体などの交流、活動発表なども検討している。

 同省山陽四国地区自然保護事務所(岡山市)によると、式典や記念講演のほか、沿岸地域の市民団体、民間非営利団体(NPO)、非政府組織(NGO)、研究機関、関連企業、漁協などによる交流・発表会の開催も検討している。

 沿岸地域の連携をさらに強化し、七十周年の節目を瀬戸内海の保全、再生に向けての「パートナーシップ元年」とするのが狙い。それぞれの活動内容を紹介する冊子を作り、ネットワーク化を目指す案も浮上している。

 さらに、同公園の特徴である多島美を楽しめる展望地の再生も計画。展望を妨げている雑木などの一部伐採も進める予定で、同事務所は「七十周年を機に、瀬戸内地域の観光振興にも結び付けたい」としている。

 瀬戸内海は一九三四年、「日本の風景を代表するに足りる傑出した風景地」として、九州の雲仙(長崎県など)、霧島(鹿児島県など)とともに最初の国立公園に指定された。記念式典の開催は五十周年(八四年)の玉野市、六十周年(九四年)の香川県坂出市に続いて三回目となる。

瀬戸内海国立公園 山口、広島、岡山、兵庫、香川、愛媛県を中心にした海域と、多島海景観の展望地などの陸域が区域に指定され、総面積は約83万ヘクタール。当初、広島県東部の鞆の浦から香川県の小豆島にかけての備讃瀬戸周辺が指定された。その後、芸予諸島や防予諸島、関門海峡、紀淡海峡、佐田岬などが追加された。
 風景や自然を守るため、環境省中心に開発行為などを規制。展望施設や遊歩道、ビジターセンターの整備も進めている。

2004.1.4


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