カザフ女性が原水協系大会で訴え

'00/8/4

 旧ソ連の核実験が運命に傷跡

 カザフスタンの核実験被害者レナータ・イズマイロバさん(18)が 三日、広島市で開かれている原水爆禁止世界大会(原水協系)の国 際会議で、つらい体験や核兵器廃絶への思いを訴えた。

 レナータさんは旧ソ連のセミパラチンスク核実験場近くの生ま れ。「とても美しい草原で人々は幸せに暮らしていたが、核実験場 の出現で破壊されてしまった。約四百七十回の核実験が、私の運命 に消し去りがたい傷跡を残した」

 生まれつき手足に異常のあるレナータさんは今も身長が八十二セ ンチ。学校にも通えなかった。それでも家族や周囲の支えで、詩や 絵の好きな少女に成長した。「つらい運命ですが、人生をあきらめ たくはありません」と笑顔を見せた。

 セミパラチンスクには、一九四九年から八九年まで旧ソ連が実施 した地上や地下の核実験による被曝(ばく)者が約百二十万人いる とされている。

【写真説明】原水爆禁止世界大会で、核実験被害者の救済を訴えるレナータさん(広島市中区の広島厚生年金会館)


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