韓国人犠牲者しのび慰霊祭 広島市平和記念公園

'00/8/5

 韓国人原爆犠牲者の慰霊祭が五日午前十時から、広島市中区の平 和記念公園内の韓国人原爆犠牲者慰霊碑前であった。在日本大韓民 国民団(民団)広島県地方本部(朴義鍾団長)の主催で、遺族や関 係者ら約二百人が参列した。公園内慰霊碑前での慰霊祭は、昨年に 続いて二回目。

 この一年間に亡くなった二十七人を加えた犠牲者二千五百八十五 人の死没者名簿を慰霊碑に奉納し、黙とうをささげた。朴団長は 「二十世紀は戦争と侵略の時代で、ここに眠るみたまはその犠牲に なった。二十一世紀は命、人権が尊ばれる時代にならなくてはいけ ない」と追悼の言葉を述べた。

 民団中央本部の金宰淑団長は、今年六月の韓国と朝鮮民主主義人 民共和国(北朝鮮)の初の南北首脳会談に触れ、「分裂祖国と同じ ように分断と対立を繰り返してきた在日同胞も、和合と統一に向け 前進する時だと確信している」と訴えた。

 この後、県地方本部の女性メンバーが民族衣装姿で慰霊歌を歌 い、折りづるや花輪をささげた。

 韓国人原爆犠牲者慰霊碑は、民団などが一九七〇年十月に建立し た。しかし、平和記念公園の外にあったことから「民族差別の象 徴」との声が強く、広島市は公園内移設を認め、昨年七月に移され た。次の課題となっている「南北統一碑」について、朴団長は「こ ういう(首脳会談が開かれる)時代だけに時間をかけても協議して いきたい」と話した。

【写真説明】慰霊祭終了後、慰霊碑に花をささげて犠牲者のめい福を祈る人たち (5日午前10時50分、広島市中区の平和記念公園)


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