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平和願い 2つの除幕式 '01/8/7

平和監視時計を除幕 原爆資料館

 最後の核実験からの経過日数などを示す「地球平和監視時計」 が、広島市中区の原爆資料館東館の一階に設置され、六日、除幕式 があった=写真。

 修道高の卒業生らでつくる特定非営利法人(NPО法人)「広島 からの地球平和監視を考える会」(畠真実理事長)が設置した。

 除幕式には会員ら約百人が参加。会員の八代真旭さん(16)、正成 さん(10)の姉弟らが引き綱を引くと、高さ三・一メートルの大理石 製の時計が姿を現し、集まった人たちから拍手が起きた。

 現在の時刻を示すアナログ表示の下に、広島への原爆投下からの 日数「20454」と、昨年十二月に米国が実施した臨界前核実験 からの日数「234」を上下に並べてデジタル表示している。今 後、核実験が実施されると下段の日数がリセットされ、0に戻る。

 時計を発案した同会の土井淳夫事務局長(57)=佐伯区=は「平和 の監視は今日から始まったばかり。二つの日数を見ながら、核兵器 のない世界の実現に気持ちを新たにしたい」と話していた。


世界の子どもの平和像を除幕

 広島市の高校生たちが、街頭募金で七百万円を集めて建立した 「世界の子どもの平和像」が六日、中区の広島市民球場前で除幕さ れた。被爆体験の継承が課題となるなか、若い世代が力を合わせ て、平和の願いを発信する。

 テーマは「親子愛」。手をつないだ二人の大人と、駆け寄る子ど もの姿をイメージした大小二体の像で構成されている。

 除幕式には、建設委員会に加わった中学、高校生たち約三百人が 参加。南区西蟹屋、崇徳高三年寺岡順平君(17)が「次世代に被爆体 験を語り継ぎ、核廃絶を訴えよう」と呼び掛け、八人で除幕した。

 建立運動は、「原爆の子の像」の姉妹像を作った米国の小学生た ちが一九九六年、「世界に平和像の建立を」と訴えたのが発端。広 島市内でも九八年から、高校生たちが建立のための街頭募金を始め た。

 今年四月から運動に加わった大竹市玖波、安田女子高一年吉田文 香さん(16)は「『平和って何だろう』と思って参加した。自分で行 動して実現させるものだと感じました」と話していた。

【写真説明】高校生たちの手で除幕された「世界の子どもの平和像」


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