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「劣化ウラン弾でがん患者急増」 イラク医師が広島で報告 '02/12/2

 湾岸戦争で米国に劣化ウラン弾を大量使用されたイラクで、がん 患者の治療に当たる医師二人を囲む集いが一日、広島市中区の原爆 資料館であった。医師らは具体的なデータを示し「がん急増は劣化 ウラン弾の影響」と強調。放射能兵器による被害実情を、被爆地の 市民に報告した。

 市民団体などの招きで今月下旬から来日しているイラク南部の都 市バスラのジャワッド・アル・アリ医師と、バグダッド大医学部の フサム・ジョルマクリ教授。

 アリ医師は、腹や首などに大きな腫瘍(しゅよう)ができた子ど もや兵士など患者の写真をスクリーンで紹介し、「数日後に亡くな った」などと説明。会場に集まった約八十人の市民は、次々と報告 される深刻な被害実態を真剣な表情で聞いていた。

 二人の報告を受け、市立大広島平和研究所のクリスチャン・シェ ラー教授、核兵器廃絶をめざすヒロシマの会の森滝春子共同代表、 中国新聞社の田城明編集委員が意見交換した。



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