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厚労相発言に抗議文 米とブラジルの原爆被爆者協会 '02/8/22

 ■認識不足に失望

 坂口力厚生労働相が、在外被爆者の支援方針について答えた中国 新聞のインタビューで、在外被爆者の実情に対して認識不足の発言 をしたとして、米国原爆被爆者協会(友沢光男会長)と、在ブラジ ル原爆被爆者協会(森田隆会長)は二十一日、連名で抗議文を発表 した。近く厚労相に郵送する。

 十六日付中国新聞に掲載されたインタビューで坂口厚労相は、在 外被爆者の支援について「数だ。一体全体、被爆者は何人いるの か、ある程度分からないと対応できない」と強調。渡日して被爆者 健康手帳を取得してもらい実態を把握することが、支援策を進める 前提になる、との見解をあらためて示した。

 これに対し、高齢化や健康不安を理由に、現地での治療を求める 両協会は、緊急の理事会や役員会を開き、対応を協議。「北米に十 三回、南米にも九回、検診のために日本の医師団が訪れ、旧厚生省 の職員も同行してきた。(本当に)ある程度の数すらも把握できて いないのか。被爆者の実態を知り尽くした各国の被爆者協会も協力 してきただけに、失望した。裁判だけが残された道なのか」との抗 議文を出すことで一致した。

 友沢会長は「大臣の発言は、逃げ口上だ。被爆者団体を邪魔者扱 いしている、とも取れる発言もあり、腹立たしい。渡日できずに、 本当に困っている被爆者を早急に支援してもらいたい」と憤ってい る。


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