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「健康が心配」 在外被爆者本紙アンケート '02/8/8

 中国新聞社は七日、世界各地に暮らす在外被爆者を対象に実施し た生活・健康実態アンケートの結果をまとめた。七カ国の計三百十 二人から回答があった。「被爆者としての苦労や心配事」について の設問(複数回答)には、「自分の健康」「老後の生活」「経済上 の困窮」の三つの回答がいずれも過半数を超え、在外被爆者の多く が健康と暮らしの両面で不安を抱えていることがうかがえる。

 調査は現地の被爆者団体や県人会などの協力を得て郵送方式で行 い、一部は現地を取材した記者が被爆者から直接聞き取りした。回 答者の国別内訳は、韓国百五十四人、米国八十一人、ブラジル六十 七人、アルゼンチン五人、パラグアイ三人、中国とカナダ各一人。

 日々の苦労や心配事についての回答は、「自分の健康」が二百六 十二人(84・0%)で最も多く、次いで「老後の生活」二百三十八 人(76・3%)、「経済上の困窮」百六十九人(54・2%)―の 順。

 被爆から五十七年が過ぎ、在外被爆者の高齢化が進む実態を物語 る。被爆者健康手帳を取得すれば医療費の給付が受けられる日本国 内とは異なり、物価水準に比べて医療費が相対的に高額な国もある ことから、病院通いが家計を圧迫しているケースもあるとみられ る。

 「家族の健康や将来」との回答も百三人(33・0%)に上った。 被爆二世への影響を懸念する人も多いと言えそうだ。

 また、被爆者健康手帳を取得しているのは全体の74・0%だっ た。



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