原爆ドームを背に手を合わせているのは、米国の福祉活動家ヘレン・ケラー(写真左・一八八〇―一九六八年)。一九四八年十月十三日、原爆のつめ跡が濃い広島市を訪れ、「幸多き街を築かれる努力を続けられるよう祈る」とのメッセージを贈った。聴覚と視力を失いながら言葉を取り戻し、福祉に献身するケラーの来訪を復興に挑む市民は熱く迎えた。
核兵器の威力と人間的悲惨さを伝え、平和への営みを象徴するヒロシマには、世界各地から歴史的な人物が訪れる。発せられたメッセージは、核時代をめぐる受け止めを刻む。被爆六十周年に向け、中国新聞社が記録し、広島市の原爆資料館と共同でデータベース(DB)化を進める「原爆・平和写真」からヒロシマへの来訪者を紹介する。
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