中国新聞社
核なき潮流へ世界が集結 被爆65年式典 '10/8/7


 広島市は6日、中区の平和記念公園で、原爆死没者慰霊式・平和祈念式(平和記念式典)を営んだ。米国による原爆投下から65年。昨年より5千人多い5万5千人(市発表)の被爆者や遺族、市民らが参列した。米国政府を代表するジョン・ルース駐日大使、国連の潘基文(バンキムン)事務総長も追悼の祈りに加わった。

 ▽米大使・国連総長ら参列 「核の傘 離脱を」広島市長平和宣言

 核兵器廃絶に向けた国際機運の高まりを受け、核兵器保有国から英国やフランス代表も初めて参列。これらを含め海外政府代表は過去最多の74カ国に上った。秋葉忠利広島市長は平和宣言で日本政府に対し、「核の傘」からの離脱や非核三原則の法制化を強くアピール。廃絶の先導役としての期待を込めた。

 午前8時からの式典で秋葉市長と遺族代表2人は、この1年間に亡くなった被爆者5501人(新たな死亡確認を含む)の死没者名簿を原爆慰霊碑に納めた。これで名簿は計97冊、26万9446人に。また長崎被爆分の名簿は4人の名前を加え計8人となった。

 原爆投下時刻の午前8時15分。こどもと遺族代表がつく「平和の鐘」が響き渡る。参列者は起立し、1分間の黙とうをささげた。

 続く平和宣言で秋葉市長は「こがあな いびせえこたあ、ほかの誰にも あっちゃあいけん(こんなに恐ろしいことはほかの誰にもあってはならない)」と広島弁で被爆者の願いを代弁。参列した菅直人首相に対し、核兵器禁止条約締結の音頭を取るよう求めた。

 また、こども代表の古田台小6年横林和宏君(11)=西区=と袋町小6年高松樹南(みきな)さん(11)=中区=は力強く「平和への誓い」を読み上げた。(増田咲子)

【写真説明】<上>被爆65年のヒロシマ。国連事務総長として初めて潘氏が参列、花を手向けるなど核軍縮機運の盛り上がりを象徴した
<下>平和記念式典に初めて参列し、参加者とあいさつするルース米大使



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