中国新聞社
2011ヒロシマ
'11/7/28
碑は語る<4> バーバラ・レイノルズ氏記念碑<動画あり>


 ▽被爆者に寄り添う信念

 被爆地広島に6月、新たな碑が誕生した。つるりと光る黒御影石には、米国人平和活動家バーバラ・レイノルズさん(1990年死去)の穏やかな顔が浮かぶ。力強い毛筆の碑文は、彼女のたどり着いた境地。

 「私もまた被爆者です」

 51年、原爆傷害調査委員会(現放射線影響研究所)に赴任した夫と広島へ移り住んだ。母国が投下した原爆の惨禍を知り、反核・平和の道を歩む。62、64年に被爆者と核保有国などを巡り、65年、「ヒロシマの世界への窓口」となるワールド・フレンドシップ・センターを創設した。

 センターの森下弘理事長(80)が平和記念公園(広島市中区)そばへの碑建立に尽力し、碑文を揮毫(きごう)した。「穏やかな声が印象的で、強い意志を持つ運動家だった」と振り返る。

 寄り添い、行動する。「東日本大震災や原発事故が起きた今こそ、彼女の精神を継承してほしい」と森下さん。半生をヒロシマにささげた足跡は、原点の地で語り継がれる。(写真・宮原滋、文・馬上稔子)

 動画はこちら

【写真説明】台座に映る記念碑。各地から届いた折り鶴とともに、バーバラさんの願いが羽ばたく



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