中国新聞


小中高生にデイサービス
発達障害の学習支援
廿日市で6日開設 通信制高と提携へ


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発達障害児の機能訓練に使う教材を手に打ち合わせをする橘さん(左端)たちスタッフ

 発達障害がある小中高生に機能訓練を通じた学習支援をする児童デイサービス施設「ステップ」が1月6日、廿日市市須賀に開設される。同市には小学生対象の施設は3カ所あるが、中学生以上が通える施設は初めて。介護人材育成などを手掛ける広島市の会社が設置し、設立に関わった人たちでつくるNPO法人が2011年春にも運営を引き継ぐ。

 廿日市市教委の教育相談員を務め、経営する学習塾で発達障害児を受け入れていた橘恵さん(44)=広島市佐伯区=が「障害の程度に応じた訓練ができる専門の施設が必要」と発案。知人を通じて相談を持ちかけた福祉情報センター(西区)が開設を決めた。同社が借り上げた3階建てのビルの1フロア180平方メートルを使う。

 手作りの教材を使った視覚と聴覚の機能訓練や、集団での討論などの活動をする。小中学生は1日1時間半のプログラムを、月8日を上限に受けられる。通信制高校と提携し、高校卒業資格を得られるコースも4月に開講する予定だ。いずれも廿日市と広島、大竹市の児童、生徒が対象。10年12月に廿日市市の認可を受けた。

 同社の呼び掛けで元教員やフリースクール経営者たち10人がNPO法人「きぼう」の設立を準備中。早ければ11年春にも同社から業務を引き継ぐ。自身の塾を閉鎖してNPO法人に加わる橘さんは「子どもの自尊心を高め、不登校やひきこもりを防ぐ場にしたい」と話している。

 児童デイサービスは障害者自立支援法に基づく事業。利用には居住する市に申請し、審査を受ける必要がある。ステップTel0829(30)6371。(村上和生)

(2010.12.30)

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