中国新聞


震災避難の母子、尾道で交流の輪
東京・埼玉・千葉の8組


   

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食事をしながら情報交換する母親と子どもたち。野本さん(右端)や信恵さん(左から2人目)の呼びかけで集う

 東日本大震災を機に関東地方から尾道市内に自主避難した子育て中の母親たちが交流を深めている。市内の自営業者が発案し、母親の一人が借家を開放。少しでも心細さを解消できるよう知人に紹介しながら輪を広げている。

 ▽食事や情報交換 「知人できありがたい」

 毎週木曜日、同市長江の野本ゆうこさん(37)宅に子どもを連れた母親が集う。地元の子育て中の母親も訪れ、食事をしながら子育ての支援策や生活情報をやりとりする。

 集うのは東京都と埼玉、千葉県からの母子8組。いずれも夫は仕事のために残り、母子だけで来た。

 野本さんは長女(3)と東京都中野区の自宅を離れた。広島市内や因島の知人宅などに住み、6月から尾道での生活を始めた。

 「子どもの安全を第一に考えた。心配し過ぎだったねと後で笑えればいい」と野本さん。ただ、避難後は子どもの遊び相手がほしかったという。

 埼玉県新座市から尾道市の実家に戻った内田みゆきさん(34)は長男(4)と暮らす。「久しぶりの古里で知人も少ない。より多くの人と知り合えるのはありがたい」と感謝する。

 交流会は、同市西御所町でCD店を経営する信恵勝彦さん(52)が思い付いた。被災地支援のライブや原発を考える映画の上映会などボランティア活動に取り組んできた。

 避難者の家探しや家具の調達を手伝い、野本さんと知り合った。信恵さんは「安心して暮らせる一助になればいい」と期待する。信恵さん=電話090(1336)4757。(鈴木大介)

(2011.8.30)


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