中国新聞


8警察署と連携し捜査力向上 性犯罪の被害防止
無防備やめて、自衛も重要


   

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「各警察署と連携して捜査を進めていきたい」と力を込める奥田警部

 福山市瀬戸町の東部運転免許センター内に広島県警子ども女性安全安心対策室東部が4月に新設され、半年余りがたった。責任者を務める奥田元(はじめ)警部に役割や性犯罪の被害防止策などを聞いた。(東谷和平)

 ―県東部(福山、尾道、三原、府中の4市と世羅、神石高原の2町)の子どもと女性を狙った性犯罪の実態を教えてください。

 県東部での不審者による声掛けや強制わいせつなどの認知件数はことし1〜9月で計373件。昨年同期比で124件も増えている。子どもは下校時間の午後3時から午後6時まで、女性は午後7時から午前0時までに狙われる傾向が強い。

 ―対策室東部の役割と体制は。

 県警捜査2課や機動捜査隊など捜査経験が豊かな6人が県東部の8警察署と連携している。6人は、各署の境界を越えて、素早く動ける。また、粘り強く時間をかけて行為者を特定する捜査により力を注げるようになった。県東部全体で大きな効果を挙げている。4月から9月まで強制わいせつや県迷惑防止条例違反などの疑いで12人を逮捕した。

 ―子どもや女性が気を付けるべきことは何ですか。

 自分の身を自分で守る意識を持ってほしい。音楽を聴いたり、携帯電話で話をしながら歩いたりするのは無防備。気付かないうちに不審者が接近して体を触られる。人通りが多く明るい道を選んで帰ってほしい。子どもは塾などで帰宅が遅くなる場合は、親に迎えに来てもらい、知らない人に声を掛けられても付いていかないでほしい。

 ―今後の取り組みを教えてください。

 犯罪は見えづらく入りやすい場所で発生しやすい。防犯灯の設置や公園内の見通しを良くするなど、防犯に有効なまちづくりについても地域にアピールしていきたい。


県警子ども女性安全安心対策室東部  奥田 元(おくだ・はじめ)警部
尾道市瀬戸田町出身。1978年4月、県警に入り、安佐北署刑事課長、福山市生活安全推進課専門員などを歴任。ことし4月の県警子ども女性安全安心対策室東部の設立当初から責任者を務めている。52歳。

(2011.10.17)


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