中国新聞


市民の力、施策に生かして
福山の子育てグループ


   

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神辺町の公民館で子どもに絵本を読む奥野さん(右端)

 旧神辺町と福山市の合併を翌年に控えた2005年7月、仲間と情報紙の発行を始めた。「きめ細かな子育ての情報や支援が乏しくなる」と懸念した。

 町内の幼稚園・保育所の行事を載せた旧町の広報紙に代わり、毎月2千部を発行している。公民館で未就園児と親が交流し、絵本の読み聞かせや体操をするサロンも開く。

 資金は情報紙に載せる企業からの広告収入や会費で賄う。「民間の活動に協力する企業が恩恵を受ける公的な仕組みがほしい」

 また、市の子育て支援拠点の運営は、社会福祉法人が主に委託を受け、NPO法人が受託した実績はまだない。「NPO法人にも広げれば、子育て拠点はもっと増える」。市が市民活動を後押しする余地はまだ多い。

 「市民の活躍の場を増やし、その力を施策に生かすべきだ」。みんなで創る子育てナンバーワン・オンリーワンのまち―。市のスローガンの真の実現を望む。(久保友美恵)


奥野しのぶさん(49)=福山市神辺町NPO法人こどもステーション代表。横浜市出身。高校卒業後、通信機器会社に勤務。出産を機に退職し、1993年12月から夫の実家がある旧神辺町で暮らす。

(2012.1.4)


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