中国新聞


食育効果あり、栄養教諭増員 広島24人採用で倍増
2012年度広島・山口・岡山県教委


 食材の旬や栄養価など食に関する知識を学び、健康的な食生活の土台をつくる食育の充実に向け、広島、山口、岡山の3県教委は2012年度、小中学校などに配置する栄養教諭を増員する。広島は現在の26人から50人へとほぼ倍増させ、山口、岡山は10人程度ずつ増やす方針でいる。

 栄養教諭は学校の食育の推進役として05年度に国が制度化した。栄養職員が担う給食の献立の考案や管理の業務に加え、家庭科などの授業を教科担任たちと担当して食習慣の指導などに当たる。

 広島県教委は07年度、初めて栄養教諭10人を採用。増員は現在の26人になった10年度以来、2年ぶりとなる。新たに採用を予定する24人は、栄養職員の中から免許取得者を対象に選考する。

 栄養教諭26人(うち広島市3人)は、22市町の24小学校、2中学校に配置されている。同県教委は11年10月、栄養教諭の配置効果を検証するアンケートをした。栄養教諭がいる26校では、朝食を毎日食べると答えた児童・生徒が91・2%で未配置の学校(86・8%)を上回り、配置の効果があると判断した。

 中国地方5県では山口県教委の採用数が最も多い。採用を始めた06年度から毎年度増やし、現在78人。12年度はさらに10人程度を増やす方針だ。同県教委は「子どもが食の大切さやバランスのよい食事の取り方などを学校で学ぶ場を充実させたい」と説明する。

 岡山県教委も現在の41人から10人程度の増員を目指す。島根県教委は61人、鳥取県教委は19人の現行人数を維持する構えでいる。(門戸隆彦)

(2012.2.10)


【関連記事】
栄養教諭 食育に奮闘中 広島の皆実小、食べ残し・朝食抜き減少 (2008.5.19)



子育てのページTOPへ