中国新聞


川に触れて環境学習 三次のNPO
小中学生ら向けに定期開催


   

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馬洗川クリーン作戦で、川底の石を磨く参加者

 小中学生向けの学習塾を運営する三次市のNPO法人「みよし子育て・学び支援あすなろ」が、塾生や保護者たちと江の川水系の河川で環境学習を始めた。川で遊ぶ機会の少ない子どもたちが、自然と親しむきっかけにと発案。アユの餌場である川底の石磨きなどに取り組んでいる。

 5日早朝には約50人が参加し「馬洗川クリーン作戦」を実施。同市畠敷町の馬洗川に入り、石の表面の泥や古いコケをブラシや竹ぼうきで磨き落とした。アユは石の表面につく新鮮なコケを食べて育つため、こうした作業を通じ新芽を促す。

 江の川漁協の熊沢博理事(65)=畠敷町=はアユの成長過程や川の現状を解説し、「みんなできれいな川を育てて」と呼び掛けた。

 八次中1年貞丸萌衣(めい)さん(13)は「ごみがたまって石の上は滑りやすい」、同2年糸原淳也君(14)は「アユの生息する川は僕たちにとってもきれいな川。ごみを捨てず、守りたい」と話していた。

 活動は、あすなろの黒田明憲理事長(78)が江の川水系漁撈(ぎょろう)文化研究会の顧問を務める縁もあって始めた。初回は6月に馬洗川べりのごみを回収。今後も外来害魚駆除や水生生物の観察などを定期的に催す。

 12日午前8時半からは、馬洗川に入って石を磨き、アユをつかんだり投網を打ったりする催しを開催する。一般参加もできる。(桜井邦彦)

(2012.8.8)


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