中国新聞


三次の子育て広場に震災や原発問う「ストーブ」 
岩手の被災工場から取り寄せ「自然エネ考える場に」


   

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被災地から届いたストーブで温まる佐々木代表とスペースを訪れた子どもたち

 三次市十日市中の子育てフリースペースKADOYA(カドヤ)に、東日本大震災で被害に遭った岩手県釜石市の工場から、ペレットとまきを燃料にするストーブが届いた。暖を取りながら、利用者に地震被害の恐ろしさを知ってもらうとともに、原発事故やエネルギーについて考えてほしいと願っている。

 ストーブは縦横0・4メートル、高さ1メートルの鉄製で、釜石市の石村工業で製造された。石村真一社長(59)によると、海岸そばにある同社の工場が地震後に高さ約10メートルの津波を受けて全壊。約20人の従業員は無事だったが、工場にあった製品のストーブはがれきに埋まった。

 その後の復旧作業でがれきの中から約70基のストーブが見つかった。海水で表面がさびるなどの被害はあったが、修復すれば使える状態だったという。

 「震災後、全国から励ましの声をもらった。せっかくなので人が集まる場所で役立ててもらいたい」と、ことし夏からホームページで受け入れ先を募集した。カドヤも、格安で譲ってもらった。

 カドヤは12月初旬、施設内にストーブを据えた。訪れる幼児や母親が利用している。佐々木洋子代表(58)は「火の暖かさを直接感じながら、自然のエネルギーをどう使っていくか、子どもたちとともに考えたい」と話している。(馬上稔子)

(2012.12.19)


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