中国新聞


内浦保育所存続へ運動
福山市が統合案、地元自治会連が受け入れ拒否
「伝統継承の場」利用を呼び掛け


   

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田島東学区自治会連合会が子どもの利用を地域に呼び掛けている内浦保育所

 福山市内海町の田島東学区自治会連合会が、地元の内浦保育所の存続運動を始めた。市側が隣の横島の内海保育所との統合案を示したが、受け入れを拒否。幼児のいる世帯に現状を訴え、利用を呼び掛けている。

 保育所、幼稚園の統廃合は市が2006年度から10年計画で着手。100人程度の保育所は民間に移管するものの、少人数のケースは統廃合としている。これまで11カ所を民間に移管し、7カ所を3保育所に統廃合した。

 今回は島にある2保育所をことし4月に統合する計画。昨年2月に説明を受けた連合会役員たちは、保育所が内浦小とともに田島に伝わる歌や踊りを教える場でもあるとして反対の声を上げた。

 市はいったん統合案を取り下げたが、「集団保育の質の確保や職員の適正な配置を踏まえ検討を続ける」(市児童部)とする。

 内浦保育所は現在、2〜5歳の6人。この10年間で半減した。統合先の内海保育所の園児も10人しかいない。

 ところが、保育所に通う子どもは田島、横島の両島内に約50人。うち約7割は「0歳から預けられる」「通勤時に利用しやすい」などの理由で、隣の沼隈町の私立保育所に通っているという。

 連合会は、統廃合をめぐるやりとりを説明したチラシを作り、275世帯へ配り始めた。藤原宏会長(69)は「保育所は地域の活力を保つ拠点。一人でも多く利用してほしい」と願っている。(久保友美恵)

(2013.1.18)


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