中国新聞


住民が存続へ通園補助 福山の広瀬保育所
3世帯に月1万円、野菜売り資金確保


   

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広瀬保育所のアピールに向けてアイデアを練る橘高さん(左端)たち保護者

 福山市加茂町の山間部にある広瀬地区の住民が4月、独自に市立広瀬保育所の通園補助を始める。地区外から園児を呼び込み、保育所を存続させるのが狙いだ。廃園計画はないが、今の園児は5人。「少子化が進めばゼロになる」「連鎖的に小学校もなくなり子どもが住めなくなる」―。そんな危機感から立ち上がった。

 保育所と広瀬小、広瀬中の保護者会や老人クラブなどでつくる広瀬学区教育後援会が企画。2013〜15年度、3世帯に月1万円を補助する。市中心部にある手城町の1世帯は既に決まり、あと2世帯を募集中だ。住民から無償で譲り受けた野菜を販売するなどした積立金約100万円から支出する。

 「少人数だから運動会・発表会もみんなが主役」「(商業施設の)フジグラン神辺から車で15分」「自然が豊か」と特長をアピールするチラシも作製。市北部のスーパーなどに置いた。

 保育所はJR福山駅の北約15キロ。地区には117世帯の242人(12年3月末)が暮らすが、65歳以上が42%を占め少子高齢化が顕著だ。

 後援会は約20年前から、月1万円程度で空き家を貸し出す移住促進にも取り組んでいる。通園補助は、この制度を使って05年に移り住み、長男(6)と長女(3)を保育所に通わせる農業橘高昇吾さん(30)が発案した。「保育所が活気づけば地域の活力につながる」。保育所や地区の見学も受け付ける。(久保友美恵)

問い合わせは電子メールsavoia2010@gmail.com

(2013.3.6)


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