中国新聞


島根県、図書館司書を全校に配置 全国初、推進事業実る
公立小中高・特別支援362校


   

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4月から司書(左)が正式に配置された松江清心養護学校(松江市)

 島根県は17日、県内の学校図書館に置く司書について、公立の小中高校と特別支援学校全362校への配置を4月に終えたことを明らかにした。子どもの利用を促し、教育の質を高めようと2009年度から進める図書館教育推進事業の成果。配置率100%の達成は全国でも初めてという。

 県内19市町村にある小学校217校、中学校98校、高校35校、特別支援学校12校に正規・非常勤職員かボランティア(1日1時間、週5日勤務)の司書を1人以上置いた。12年度(配置率96・2%)に比べ、小中学校で増員し、特別支援学校では従来の担当者を司書に格上げした。

 県は09年度、小中学校を対象とした「推進事業」に着手。全校への司書配置を目指し、市町村に人件費の半額以上を助成する取り組みを始めた。11年度は高校、13年度には特別支援学校の増員も開始。過去5年間の事業費は関連費用も含め計約10億円に上る。

 文部科学省が12年度4月に全国の小学6年生を対象に実施した調査によると「週1回以上図書館に行く」割合は県内で30・3%。09年の21・2%から9・1ポイント上昇し、全国平均(17・8%)を12・5ポイント上回った。

 現場からは歓迎の声が上がる。松江清心養護学校(松江市)の坂根千歳校長は「教員と司書との連携が進み、授業の質が確実に上がった」と話す。

 この日の県議会本会議一問一答質問で溝口善兵衛知事が答弁した。溝口知事は「読書は学問の基礎をつくる。子どもへの環境整備は大人の役割だ」と述べた。(樋口浩二)

(2013.6.18)


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