中国新聞


松江の待機児童ゼロ
4月時点、11施設整え定員増加


   

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しんじ幼保園で給食を食べる園児たち。子どもを長時間預かる施設は働く女性から需要が高い

 松江市の認可保育所に入れない待機児童の数が、4月1日時点でゼロになったことが分かった。統計の残る2003年度以降では初めてで5、6月もゼロが続く。09年度以降に11施設が新設されるなど、定員が約1500人増えたため。

 市は、待機児童数が増加傾向に転じた09年度から4年間、新築や増改築に補助金計約15億8千万円(県負担分を含む)を出すなど定員増に力を入れた。13年度の定員は6384人と、09年度の4870人から大幅に増え、入所希望者の増加に応えることができた。

 少子化のなか、保育所の需要が増大しているのは、子どもを長時間預けて長時間働く女性が増えているため。幼保一体型のしんじ幼保園(同市宍道町、320人)では、幼稚園クラスでも午後7時まで延長して預けることが可能で、3歳以上の250人中195人が「延長」を利用する。山尾淳子園長は「働くお母さんは延長を選択するようだ」という。

 市は、待機児童ゼロを手放しで喜んではいない。多いのは例年3月。産休・育休明けで再び働き始める女性の子が、年度替わりまで待たされることが多い。市のことし3月の待機児童数は212人。10年3月の403人に比べると半減したが、市子育て課は「本年度末も一定数の待機児童が出るのは避けられない」とみている。

 島根県内の4月1日現在の待機児童数は出雲市9、雲南市2、美郷町3の計14人。美郷町は定員を上回って希望者を受け入れているが「就職活動中の3人のお母さんには待ってもらった」(同町住民福祉課)という。(土井誠一)

(2013.6.19)


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