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夜間救急、7月22日から休診 尾道の小児医療ピンチ
市民病院は週2日に


   

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夜間救急診療所の小児科休診などを発表する平谷市長

 尾道市新高山の市立夜間救急診療所の小児科が7月22日から休診する。国立病院機構岡山医療センター(岡山市北区)などが医師の派遣を中止するため。休診は1983年の小児科開設以来初めてだ。市民病院の小児科も1日から、これまでの週5日診療が2日だけとなる。いずれも病院事業管理者の罷免の影響。

 ▽管理者の罷免が影響

 夜間の小児科は医師1人が午後8時から翌午前7時まで担当。今月は同センターが17日間、川崎医大(倉敷市)が9日間、市民病院が4日間をカバーしている。

 尾道市によると、今月20日、3病院の日程調整をする同センターが「医師確保が難しくなった」と連絡してきたという。同センターの名誉院長は市が5月20日に罷免した病院事業管理者の青山興司氏(70)。同氏の要請に応える形で、同センターと川崎医大の医師が派遣されていた。

 27日に市役所で記者会見した平谷祐宏市長は「罷免の影響がまったくなかったとは考えていない」とした。

 一方、同じ敷地内の市民病院は、小児科医師2人が今月末で退職するのを受け、公立みつぎ総合病院の小児科医師を火・金曜の午後2時から4時まで配置する緊急措置をとる。5月の1日平均の小児科外来患者数は夜間救急診療所4・5人、市民病院7・9人だった。

 両施設とも従来の体制に戻るめどは立っていない。平谷市長はこの日、岡山大病院(岡山市北区)を5月下旬に続いて訪れ、医師派遣をあらためて要請した。「あらゆるネットワークを使い医師確保に努力する」と話している。(渡辺裕明)

(2013.6.28)


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