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わいせつ・セクハラ行為で教職員処分 最多ペース
広島県内2013年度 再発防止へ指導強化


   

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 広島県内で本年度、わいせつ・セクハラ行為を理由にした教職員の懲戒処分が相次ぐ。20日までにいずれも男性の5人が処分され、過去最多の10人が処分された2006年度を上回るペースだ。県教委は各校に研修や指導の徹底を呼び掛け、再発防止を図る。

 県教委は4月以降、商業施設などで盗撮を繰り返した福山市の50代の中学教諭を懲戒免職。授業中などに女子生徒の体に触れるなどした三原市の50代の中学教諭と女子生徒に外出を誘うメールを送るなどした県西部の50代の県立高教諭をいずれも停職1カ月にした。

 さらに勤務後に女性教諭を車で6・5キロにわたり追跡した三次市の50代の小学校長を減給10分の1(1カ月)、携帯電話で女子生徒の脚を撮影するなどした県東部の30代の高校教諭を戒告とした。

 処分者数5人は既に昨年度1年間の処分者数と同数となり、記録が残る05年度以降で最多だった06年度の同時期(4人)を上回る。

 下崎邦明教育長は今月9日の記者会見で、不祥事が後を絶たない要因について「自身の行為をセクハラだと思っていない認識の甘さが背景にある」と分析。県教委は同日、指導の徹底を求める文書を校長に送った。

 具体的には被害者や保護者の役割を演じ、それぞれの思いを考えるようにするロールプレーイングに取り組んだり、わいせつ・セクハラ行為の具体例を説明したりするという。県教委教職員課の諸藤孝則課長は「工夫を凝らした研修の実施を求めていく」と話している。(門脇正樹)

(2013.8.21)


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