イノシシから農作物を守る自治体の対策費が二〇〇二年度、中国五県の三百十八市町村のうち、87%にあたる二百七十七市町村で、総額七億六千四百八十九万円に上ることが、中国新聞社のアンケートで分かった。 |
特 集 (03.1.6) | ||||||||
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対策費の県別累計では、広島が二億二千三百一万円で最も多く、岡山、島根、山口、鳥取と続く。市町村別では、中国山地の米どころの島根県仁多町が千六百三万円でトップ。生息域が近年、急激に広がっている芸予諸島の倉橋町が2位、対岸の呉市が3位に入った。 イノシシ対策では、財政規模の小さな農村が、都市部より多額の公費投入を余儀なくされているのが実情だ。4位の山口県福栄村は、一般会計の額が二百数十倍の広島市をも上回る対策費をつぎ込んでいる。 対策の内訳は、田畑をさくで囲う「防護」と、銃やわなで頭数を減らす「駆除」が二本柱になっている。 五百万円以上の対策費を組んでいるのは三十九の市町村。予算ゼロは四十一市町村で、島根県の隠岐諸島や岡山県南の沿岸部など、イノシシ分布の空白地帯が大半だった。
文・石丸賢、林淳一郎 写真・山本誉 | |||||||||
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