広島湾に大量の流木 草津漁港マヒ

'99/7/1 朝刊

 二十九日の集中豪雨で増水した河川から大量の流木が広島湾に流 出。三十日にかけて広島市西区の草津漁港に押し寄せ、最大時には 同漁港内の三分の二を占拠した。流木でスクリューを破損した漁船 も出るなど、同漁港の水揚げに支障が出た。広島県が同日、清掃船 を出して撤去作業を始めたが、すべて片付くには数日かかる見込み だ。

 漁港関係者によると、流木は太田川上流域の土砂崩れが原因とみ られ、近くの太田川放水路の増水に伴って二十九日夜から漂着。三 十日早朝にピークに達した。この日朝、入港した漁船は十五隻とい つもの半数。流木でスクリューを破損した漁船も数隻出た、とい う。

 このため、同漁港そばの広島市中央卸売市場では、入荷減により 鮮魚の卸値が二倍前後にアップ。流木は午後から潮の流れが変わっ て港外に流れ出して三分の一程度に減ったものの、地元の漁船にと っては、夜間の出漁が難しいため、一日の入荷量も大幅に減りそう だ。

【写真説明】大量の流木が、船の行き来ができないほど海面を埋めた草津漁港(30日午後3時、広島市西区)


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