豪雨の影響で広島の市場野菜値上がり

'99/7/5 夕刊

 広島、岡山県内を中心に被害が相次いだ六月末の豪雨の影響で、 広島市西区の広島市中央卸売市場では、先週週末の果菜類を中心にした 高値傾向が週明けの五日も続き、ナスが例年の同時期の四倍、キュ ウリが三、四割高になった。ホウレンソウなど他の品目にも値上が りが広がり、豪雨が市民の台所にじわじわと影響を及ぼしている。

 現在、広島市近郊や山口県内からの入荷が中心のナス(中長) は、入荷量が例年のこの時期より三割少なく、卸値(中値)は一キ ロ約七百円。市場が休みだった土曜、日曜日の収穫分が加わって先 週末より五十円程度安くなったものの、例年の四倍の高値。

 また大分、広島からの入荷が中心のピーマンは入荷量が半減し、 百五十グラム八十円から九十円と豪雨前に比べて五割値上がりし、例年 に比べても三割高い。同じく広島、大分、熊本が中心のキュウリは 入荷が三割減で、一キロ五百、六百円と例年の約三、四割高。先週 末よりも、さらに一割値上がりした。

 先週まで安かった広島県佐伯郡吉和村や山県郡芸北町などのホウ レンソウも二割減っており、一束約二百円と先週末より一割高くな った。

 品の傷みや収穫作業の遅れなどが入荷減の主な原因。長野など中 部や関東の大産地からの入荷が多いレタスなどを除いて、果菜類の ほか、九州、中国地方中心の葉物や軟弱野菜で今後、豪雨で生育が 遅れる品目が増える恐れがある。

 卸売会社、広果広島中央青果(広島市西区)の森脇親夫常務は 「気温が低めで蒸し暑くないので、大雨が降った割にはまだ野菜へ の影響は少ない。今後、梅雨が明けるまで値上がりする品目が増え る」とみている。

【写真説明】大雨の影響で、週明けのせりもキュウリやナスなど、高値で取引される品目が目立った(5日午前7時15分、広島市西区の中央卸売市場)


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