広島市は応急仮設住宅建設へ/広島市佐伯区

'99/7/7 朝刊

 広島市は六日、集中豪雨被害を受けた広島市佐伯区内に、応急仮 設住宅を建設する方向で検討を始めた。自宅近くへの仮住まいを望 む被災者に対し、区内に公営住宅の空きがないためで、災害救助法 の適用を受けて建設する方針だ。

 市が佐伯区の避難所などで被災者五十人に実施した面接調査で は、二十人が仮設住宅への入居を希望。これを受け、公園など建設 場所の選定作業に入り、必要戸数についても調べている。

 災害救助法では、仮設住宅は共益費のみ自己負担だが、入居対象 は自宅が全壊した人のみ。市は今後、半壊や二次災害の恐れから長 期間帰宅できない人をどう救済するか、などを詰める。

 佐伯区では、屋代地区や五日市町上河内地区などの住民計二千十 一人に避難勧告が出たまま。六日午後八時現在、河内小学校など四 カ所の避難所に二百人が残り、親類や知人宅などへ身を寄せている ケースも多いとみられる。

 市は二日から、空室の公営住宅九十三戸を被災者へ提供中。佐伯 区内の十七戸はすぐに埋まり、区外の市営、県営住宅を紹介してき たが、佐伯区内への居住希望は多い。

 河内小学校に避難している五日市町下河内、主婦平松陽子さん (48)は「自宅は床上まで真っ黒な泥が上がって住める状況ではな い。早く何とかしてほしい」。同町上河内、主婦和手千恵子さん (45)も「中学校に通う子どもがおり、近くに仮設住宅を設けてほし い」と要望している。


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