豪雨の中、人命救助の二人を表彰/廿日市市

'99/7/10 朝刊

 集中豪雨で農水路からあふれる濁流に流されたお年寄りと小学生 を助けたとして、廿日市市消防本部は九日、同市内の土木建築会社 に勤める会社員二人を人命救助で表彰した。

 広島市佐伯区薬師が丘三丁目、野田真吾さん(52)と、廿日市市佐 方一丁目、梶原友史さん(54)。二人は二十九日午後四時十五分ご ろ、市内の原、上平良地区へ復旧作業に向かう途中、国道433号 沿いの民家から逃げようとした無職女性(71)と孫の小学四年生男児 (10)が、濁流に流され始めたのを発見した。

 幅約五メートルの道路は土砂や木が押し流され、濁流にのまれた 二人は、頭が見え隠れする危険な状況。野田さんたちは道沿いの田 を駆け下りて、約四十メートル下流で投げ入れた棒につかまらせて 救出した。二メートル先には滝のような落差のある川がうねり、救 出に手間取っていれば命も危ぶまれた。

 野田さんたちは、消防署で表彰状を受け取り「冷静に行動したの が良かったのでしょう」と振り返っていた。

【写真説明】廿日市市消防署で、救助の様子を振り返る野田さん(左)と梶原さん


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