豪雨で4高校が終業式変更/広島県内

'99/7/14 朝刊

 集中豪雨による県道の土砂れのため、生徒のほぼ半数が通学でき なくなった呉市焼山町、広島県立呉昭和高校(田川武臣校長、六百 二人)は十三日、予定より六日早く一学期の終業式をした。広島県 内の高校のほとんどは十九日に終業式をするが、豪雨禍の影響で他 の一校も三日早め、二校が二―三日遅らせる。

 呉昭和の終業式は、市中心部と北部の焼山地区を結ぶ県道呉平谷 線が全面通行止めとなり、バス利用の生徒が通学できないため、学 校と中心部の二会場に分けて行う異例の式となった。

 呉地区会場は午前十時から、JR呉駅近くにある「ビュー・ポー トくれ」の大ホールであった。田川校長が「災害から二週間、大変 な経験をしました。登校日の来月五日には、全生徒が元気に顔を合 わすことを期待しています」と生徒に呼びかけ、各クラスの担任が 夏休みの課題などを配布した。

 二年生の浜中慶子さん(17)=呉市東三津田町=は「終業式で友達 と会えないまま夏休みを迎えて少し残念」と話していた。午後に は、通学できる生徒のための終業式が本校であった。

 同校の生徒のうち、呉市中心部からの通学者は約三百三十人で、 大半がバス利用者。同校は災害直後、生徒を自宅待機させるなどの 措置を取り、今月二日以降は市中心部にある商工会議所やホテルな どを借りて期末試験を実施してきた。呉平谷線は今月下旬まで全面 通行止めが続くため、始業式を繰り上げた。二学期は八月二十七日 から始まる。

 県内ではこのほか、グラウンドなどに土砂が流れ込んだ佐伯郡大 柿町の大柿高校(二百七十六人)が十六日に終業式をし、八月三十 日から二学期に入る。

 一方、同郡湯来町の湯来南高校(三百七人)は、休業や始業繰り 下げによる授業時間不足を補うため、終業式を二十一日に延ばす。 JR可部線が不通となり六月三十日から四日間休業した山県郡加計 町の加計高校(二百四十二人)も二十二日に延期する。

【写真説明】土砂崩れの影響で本校に通学できないため、呉市内の施設で開かれた呉昭和高の終業式


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