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被爆者運動50年 岐路に立つ (2006.8.1)
48団体 本社アンケート

 ■大半「証言活動に力」 二世組織5団体だけ  English

 日本原水爆被害者団体協議会の結成から半世紀を前に、中国新聞社は、全国四十八の被爆者団体の代表者らに組織実態や展望についてアンケートを行った。ほとんどの団体が被爆体験の証言活動などに努める一方、活動の後継者となる二世の組織がない団体は四十三に上っている。会員の高齢化から、鳥取県原爆被害者協議会が「解散を検討している」など、被爆者運動は岐路に差し掛かっている。

 ■高齢化、解散検討も

 調査は、日本被団協に加盟する四十五団体をはじめ、「オブザーバー参加」の広島県被団協(金子一士理事長)や、この三月に解散した奈良、日本被団協を脱退している徳島の三団体も対象に文書で尋ねた。

 この十年間の活動の力点で、「学校や地域での証言」を挙げたのは四十六団体を数え、「被爆の実態は伝わっていると思いますか」との問いには、「思う」が十三団体、「多少は思う」が二十五団体だった。被爆体験の風化を押しとどめていることに一定の手応えをのぞかせている。

 しかし、被爆者の平均年齢が七十三歳となり、活動は長くても「あと十年」との答えが目立つ。

 被爆二世の組織を持つのは、広島の両県被団協と千葉、神奈川、静岡の五団体。東京や長崎など七都県で結成の動きがあるが、三十団体は「願っても担い手がいない」と活動を引き継ぐ後継者の確保に苦慮している。

 核兵器のない世界の実現性については、「(実現すると)思う」が二十三人、「思わない」が二十五人と分かれた。核軍縮すら動きの鈍い国際社会の前に、被爆者の願いといらだちがにじむ。

 日本被団協に加盟するのは四十五団体で計六万二千四百九十六人。被爆者健康手帳を持つ二十五万九千五百五十六人(三月末現在)のうち24%、広島、長崎両県を除くと47%に当たる。被爆者が少ない地域ほど、被爆者団体が相互の助け合いや平和運動の拠点となっているのがうかがえる。

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 第3部 明日への扉 (2006.7.25〜8.1)

 ■模索続く二世の活動

 広島・長崎の両県被団協を母体に日本原水爆被害者団体協議会が結成され、この八月で半世紀を迎える。被爆体験に基づく営み、平和観は今どんな岐路や課題に直面しているのか。「被爆者運動50年」の最終シリーズである今回は、核時代に生きる私たちの「明日への扉」を探り、考える。

 継承者たち 共有する記憶なく
 追悼の担い手 地域の歴史 次代に託す
 原爆を学ぶ 「学力重視」で機会減る
 「二都」の平和行政 異論回避へ「事なかれ」
 「ゲン」印パを行く 「反核」劇 保有国で共感
 イワクニとヒロシマ 「核の傘」の下 ジレンマ
 「折り鶴」受け継ぐ 個の意思束ね貫く黒子
 原爆は昔話か 追体験した若者も発信

 第2部 ヒロシマ対談 (2006.7.14、18)

 広島出身 気鋭の研究者対談 反核の訴え再構築の時

 ヒロシマの平和思想を考えるシリーズ対談で、中国新聞社は今回、鋭い視点からの言論活動でも注目されている広島市出身者の二人の研究者を東京・日本プレスセンタービルに招き、話し合ってもらった。

 東京大法学部教授で憲法学が専門の長谷部恭男さん(49)は、非戦闘員を大量殺傷した原爆投下の是非を問い、「違った世界観の人たちにも理解でき、普遍的な枠組みに基づく考えが要る」と核兵器廃絶の訴え方の再考を求めた。京都大大学院助教授でメディア史が専門の佐藤卓己さん(45)は「個人の被爆体験が無理に国民的な記憶とされてきた」と問題提起し、被爆の記憶を政治的な言説から解き放ち、第三者に開かれたかたちで歴史化する営みの大切さを強調した。

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 ヒロシマゆかりの識者対談 平和思想・継承考える

 被爆者運動が本格的に始まって半世紀の今夏、中国新聞社は、ヒロシマゆかりの識者を招き、平和思想や継承を考える対談を行った。

 初回は前広島市長の平岡敬さん(78)と広島女学院大教授の宇吹暁さん(59)。平岡さんは、いち早く取り組んだ在韓被爆者の支援や市長時代の訴えを踏まえ「戦争を否定し現実の政治と切り結ぶ」平和思想の構築を呼びかけた。被爆史が専門の宇吹さんは「体験の継承とはどう歴史化するかだ」と、世代を超えて大学や行政などの機関でも被爆体験を受け継ぐことが重要と説いた。

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 第1部 生きていてよかった (2006.7.3〜7.8)

 ■「私を見て」決意の証言

 戦後日本の平和観の礎を成すのは広島・長崎の原爆体験だろう。歴代政府も「唯一の被爆国」として国際社会に核軍縮を唱える。「あの惨禍を繰り返してはならない」。国民的なこの認識は、いばらの道を強いられた被爆者らが声を上げて形づくられた。今夏は日本原水爆被害者団体協議会が結成されて五十年となる。一人の被爆女性の半生を軸に、まず運動の精神と、その起こりをみる。(編集委員・西本雅実)

 比治山橋のたもと 悲劇から10年 孤立超え
 原水禁世界大会 認められた喜び 弾みに
 国会請願 「訴え届かぬ」組織一本化
 証言の旅 政府、訴えを「反米」視
 終身保障 支える親に老いの現実

2006ヒロシマ


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