日本原水協などの原水爆禁止世界大会は三日、広島市中区の広島厚生年金会館での国際会議で始まった。十八カ国五十三人の海外代表を含め約二百五十人が参加。核兵器廃絶と、平和で公正な世界を目指した連携強化を議論した。
主催者を代表し、沢田昭二名古屋大名誉教授が「米国による覇権主義では核兵器廃絶や平和は実現しない。被爆体験と憲法九条がある日本の役割は大きい」とあいさつ。ヒシャム・バドル駐日エジプト大使は「核兵器保有国は、核拡散防止条約(NPT)でうたう核軍縮の義務を十分に履行していない」と批判した。
韓国の平和運動家は「昨年秋の北朝鮮の核実験以来、韓国内に核保有論が台頭している」と懸念。フランスの運動家も「サルコジ政権の誕生で、欧州連合全体の核武装が議論され始めた」と不安を訴えた。
原水協の高草木博事務局長は「二〇一〇年のNPT再検討会議へ向け、核兵器廃絶のプロセスを開始させるよう世論を高めよう」と呼び掛けた。(久保木要)
    
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