二月に七十八歳で亡くなった元広島県原水禁顧問の宮崎安男さんを「偲(しの)ぶ会」が五日、広島市中区であった。組織や団体の枠を超え、ともに原水爆禁止運動に取り組んだ約百人が集まった。
黙とうに続き、出身のNTT労組中国総支部の芳野守雄執行委員長が、被爆体験のない宮崎さんの活動の原点は、職場での被爆者支援だったことをあらためて紹介。「遺志を継ぎ、核兵器廃絶への取り組みを強めたい」と誓った。
ほかの参加者は、一九九六年にパリで原爆展を開くなど国際感覚が豊かだったと回想、世界のヒバクシャ支援を進めた功績をたたえた。
核実験に抗議し、原爆慰霊碑前で座り込みをする宮崎さんの写真や「再び被爆者を出してはならない」と訴える声を収めたDVDも放映。ゆかりの人たちのリレートークで故人をしのんだ。(下久保聖司)
    
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