一九三八年、中区の袋町尋常高等小学校(現袋町小)の児童が描いた絵や書などをまとめた記念帳を公開中の中国新聞社(中区)に、当時の児童ら十六人が閲覧に訪れた。
当時、三年生だった安佐南区の扇元博三さん(78)は平和記念式典に参列した後、足を運んだ。自分の書を見つけ感慨深そうだったが、名簿で同級生の名前を見つけ「みんな原爆で亡くなった。こうして生きているだけでありがたい」と、ルーペを片手に話していた。記念帳には約六百人分の作品や千三百人以上の寄せ書きがある。この日は同校出身者のほか、式典に参列した原爆犠牲者の遺族も顔を見せ、自分と同世代の子どもたちの絵などに見入っていた。
    
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