日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)と広島国際文化財団(山本信子理事長)は28日、今年の「ヒロシマ・アピールズ」ポスターを発表した。「忘れてはならない時刻、815。」。被爆した懐中時計をデザインし、核兵器廃絶を訴えている。
JAGDA理事で、東京造形大客員教授の浅葉克己さん(69)の作品。原爆資料館が所蔵する針と文字盤がない時計を「原爆がすべてを消し去ることを強烈にイメージさせる」と採用し、自らの青い手形を重ねた。
浅葉さんは、三宅一生さん(71)がデザインしたオレンジ色のジャケットを着て広島市役所で記者会見。「時計は『人が生きる』との意味がある。あの日、すべてが吹き飛んだ。平和への祈りを感じてほしい」と語った。今夏、米紙に被爆体験を寄せた三宅さんの姿勢に賛意を表しジャケットを着てきたという。
ポスター制作は12回目。3千枚つくり市内の一部書店などで1050円で販売する。(久行大輝)
【写真説明】被爆した懐中時計を題材にした今年のポスターを持つ浅葉さん
    
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