広島市南区の北恵(きたえ)好照さん(83)が、同区の宇品公民館で、40年余りにわたって撮影し続けてきた8月6日の平和記念公園(中区)の写真20枚を展示している。16日まで。無料。
うち15枚は昨年撮影した。原爆の子の像の下で折り鶴を折る児童の姿などを伝える。1960年代のモノクロ写真では、原爆慰霊碑の前で女性が、泣きそうな表情で手を合わせている。
原爆が投下された45年当時、陸軍兵長として福岡にいた。南区の自宅へ帰ったのはこの年の暮れ。叔父や友人が被爆死していた。地元の埋め立て地で犠牲者を火葬した話も聞いた。「原爆の悲惨さを伝えなければならない」。趣味で写真を始めたのを機に、公園へ通うようになった。
「60年余りたった今も公園に来る遺族の平和への願いを、若い世代に知ってほしい」と北恵さん。今年も午前5時すぎから撮影に訪れる。公民館は6日と火曜日休館。電話082(253)2529。(鈴木大介)
【写真説明】8月6日の平和記念公園を撮り続けてきた作品を説明する北恵さん
    
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