原爆で生き別れになった父子の情愛を描く大衆演劇「原爆の子」が6、7、16日、広島県世羅町甲山の温泉施設せら温泉で上演される。
広島で被爆し、生き別れになった父子が19年後に思わぬ形で再会を果たす物語。演じるのは大阪市の新川劇団(新川博也座長)。座長の父でリーダーの博之さん(54)が被爆者の救護にあたったという父良一さんの話を基に脚本を手がけた。
劇では、父親は爆心地から260メートルの場所で勤務中に被爆。生き残ったが、遊びに出掛けていた幼い息子と離れてしまう。復興中の広島で働きながら息子を捜すが、生死も分からぬまま19年が過ぎ、たまたま立ち寄った舞台で息子の面影がある役者と出会う。
博也座長は「原爆で引き裂かれた肉親の苦しみを、笑いと涙を交えてしっかりと演じたい」と意気込む。
開演は午後1時半。観劇料は入浴とセットで1800円。「平和教育の一助になれば」と、この3日間に限り中学生以下は無料。せら温泉Tel0847(22)4126。(杉原和磨)
    
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